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森林には、地球温暖化防止や国土の保全や水源の涵養(かんよう)等、私たちの生活に大きな恩恵をもたらす公益的機能があり、適切な森林整備を行うことが必要ですが、所有者や境界がわからない森林の増加、担い手不足等が大きな課題となっています。
このような状況のもと、温室効果ガス排出削減や災害防止のために安定的な森林整備等を行うことができるよう、平成31年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、「森林環境税」及び「森林環境譲与税」が創設されました。
「森林環境税」は令和6年度より、個人住民税均等割の枠組みを用いて、国税として1人年額1,000円を市町村が賦課徴収するものです。「森林環境譲与税」として各都道府県及び各市町村に配分されます。
「森林環境譲与税」は令和元年度より、市町村による森林整備等の財源として配分されており、配分額は私有林人工林面積、林業就業者数、人口に応じて決定されます。
活用方法については、間伐等の「森林の整備に関する施策」や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林の整備の促進に関する施策」に充てることとされています。
詳しくは林野庁ホームページ<外部リンク>をご覧ください。
鏡野町における森林環境譲与税の使途は、次のとおりです。
令和元年度 森林環境譲与税決算状況(使途) [PDFファイル/95KB]
令和2年度 森林環境譲与税決算状況(使途) [PDFファイル/105KB]
令和3年度 森林環境譲与税決算状況(使途) [PDFファイル/103KB]
令和4年度 森林環境譲与税決算状況(使途) [PDFファイル/127KB]
令和5年度 森林環境譲与税決算状況(使途) [PDFファイル/207KB]
令和6年度 森林環境譲与税決算状況(使途) [PDFファイル/105KB]
鏡野町における森林環境譲与税を活用した取組事例をご紹介します。
鏡野町の豊かな森林を次世代に継承していくために、住民の森林に関する総合的な窓口として、令和元年8月5日に「鏡野町森林(もり)づくりセンター」を開設しました。
産業観光課の下部組織として、鏡野町内の森林へのアクセスが良い、奥津振興センター内に所在しています。
林務担当職員4名、林業に関する高い知識・専門性を有する地域林政アドバイザー2名、地域林業に精通し、林業技術を有する森林組合職員1名の計7名体制で森林・林業振興に関する業務に取り組んでいます。
(写真:鏡野町森林づくりセンター開設の様子)
放置森林の解消に向け、平成31年4月に施行された「森林経営管理法」に基づき森林経営管理制度を推進しています。
鏡野町内の森林を8区画に分割し、区画内にある手入れが必要な人工林の所有者の方に意向調査を行っています。
※所有している森林が広葉樹林(サクラやナラ等の森林)の場合や既に他者に管理を委託している場合については森林経営管理制度の対象外です。

(写真:手入れ不足の森林 地面に草本等がほとんど生えていない状況)

(写真:地域林政アドバイザーによる現地調査の様子)
また、鏡野町への委託希望等の意向が確認できた森林について、地域林政アドバイザーを中心に現地調査を行っています。
現地調査等の情報や周囲の森林所有者の方の意向も踏まえ、鏡野町で管理を行う必要があると判断した森林を優先に森林所有者の方との協議を進め、経営管理権集積計画の策定及び鏡野町HPにて経営管理権集積計画の公告・縦覧を行います。
公告を行った森林については、鏡野町の管理による森林整備(切捨間伐)や意欲のある林業事業体への再委託を推進しています。
既に公告・縦覧済みの経営管理権集積計画については、経営管理権集積計画のページに掲載しておりますのでご覧ください。

(写真:経営管理権集積計画策定に向けた森林所有者の方との協議)
令和5年度より、経営管理権集積計画の対象森林について、鏡野町の発注で森林整備(切捨間伐)を行っています。
令和6年度以降も施業計画に沿った森林整備を行っていきます。
(写真:間伐後の森林の様子)
町産材を使用した製品等の開発や導入を行い、町産材の需要拡大を推進しています。
(1)町産材ヒノキを使用した木の学習机の導入
令和2年度より、鏡野町内の小学校に通う小学6年生の児童を対象に、自分たちが鏡野中学校で使用する学習机を組み立てるワークショップを開催しています。鏡野町職員や鏡野町森林づくり協議会、学習机の製作事業者等のサポートを受けながら、児童自身の手で学習机を組み立てていきます。
組み立てた学習机には、木製ネームプレートと金属フレーム脚が取り付けられ、次年度から鏡野中学校で使用されます。
YoutubeにてPR動画<外部リンク>を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

(写真:町産材ヒノキを使用した木の学習机)

(写真:木の学習机組立てワークショップの様子)
(2)幼児用玩具の配布
乳幼児期から木に親しみを持ってもらうため、令和3年度より、町産材を使用した幼児用玩具(ファーストトイ)を配布しています。保護者の方からは「木のぬくもりを感じる」、「木製なので安心して遊ばせられる」との声をいただいています。
事業の詳細については事業ページをご覧ください。
詳しい製品紹介については製品紹介ページをご覧ください。
リンク先に掲載しているYoutubeのPR動画もぜひご覧ください。

(写真:森林(もり)のプレゼント)
(3)その他木材利用の推進
子育て支援課の理学療法士と共同で、木材を使用した子ども用姿勢矯正椅子を製作しました。
令和5年度より、子育て支援課でこども園や保育園への導入を推進しています。

(写真:子ども用姿勢矯正椅子)
子育て支援課が推進している、鏡野町内の妊婦の方への「プレママ応援プレゼント」にて配布する、木製の小物入れを製作しました。
令和5年度より、妊娠届提出の際に配布しています。
「プレママ応援プレゼント」の詳細については子育て支援課(0868-54-2991)にお問合せください。

(写真:木製の小物入れ)
鏡野町内で森林の管理を適切に行うことができる担い手の確保を推進するため、令和3年度より、新規林業就業者及び雇用事業体への支援を行っています。
事業の詳細については事業紹介ページをご覧ください。
YoutubeにPR動画<外部リンク>を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

(写真:鏡野町林業就業者支援事業パンフレット)
令和5年4月より、鏡野町貯木場での木材の集積を開始しています。
多くの方にご利用いただき、当初の目標であった、年間12,000立方メートル以上の木材取扱量を達成しました。
【令和6年度実績】
(1)サテライト市場 取扱量 10,911立方メートル
(2)スギ合板 取扱量 7,251立方メートル
事業の詳細については貯木場ページをご覧ください。
(写真:貯木場(遠景) 機械で木材を積み上げる様子)
(写真:貯木場(近景) 積み上げられた木材)
ICT技術を活用した、森林情報のデジタル化を推進しています。
鏡野町内の森林管理を円滑に行うため、鏡野町森林GIS(Geographic Information System:地理情報システム)の機能拡張や地籍データの更新等の環境整備を行っています。
また、さらなる森林情報のデジタル化を図るため、航空レーザー計測及びリモートセンシング技術を活用した、地形データや傾斜データ、スギ・ヒノキ等の樹種の分布データ等の解析を、津山圏域の4市町村(津山市、勝央町、奈義町、美咲町)と合同で行いました。
今後は、森林GISに搭載した森林資源解析データを活用して森林管理箇所を可視化し、森林経営管理制度や町有林整備事業等をさらに推進していきます。
(写真:間伐が必要な森林を示した図)
自然災害等により損壊した作業道の修繕に対する補助を行っています。
事業の詳細については補助金詳細ページをご覧ください。

(写真:修繕後の作業道)